NHKスペシャルで放送された「巨大台風 流水型洪水の衝撃」の感想です。
「巨大台風 流域型洪水の衝撃」感想 温暖化が招いた災害レベルとは?
「NHKスペシャル 巨大台風 流水型洪水の衝撃」が放送されました。
台風19号では、68河川で決壊しましたが、全容はまだ不明です。
多くの河川が決壊し、東日本の広い範囲に甚大な被害をもたらした台風19号。河川の流域に降った雨が集まり、大水害を起こす“流域型洪水”が起きていました。
— NHKスペシャル公式 (@nhk_n_sp) October 17, 2019
激しい雨が降ってなくても、また、雨がやんだあとでも、起きうる大洪水。
新たなフェーズに入った台風の脅威にどう向き合うべきか考えます。 pic.twitter.com/TzA2CW7ZfM
1.流域型洪水のメカニズム
☆台風から離れているところでも洪水
今回の台風19号は大きく、多くの川の流域をすっぽり覆うように雨雲が覆っていました。あらゆる流域が増水、それらすべてが本線の川に入ってきて、氾濫を起こしてしましました。
例えば、阿武隈川
阿武隈川が氾濫 住宅多数が浸水
— NHKニュース (@nhk_news) October 13, 2019
福島県伊達市 午前8時40分ごろの映像です。
広い範囲で浸水の被害が出ています。https://t.co/X0AKQi1cIc#nhk_video pic.twitter.com/UArWpA5AGG
広範囲に雨が降った場合、激しい雨が降っていない所でも、洪水が起こる事が分かりました。
さらに、阿武隈川の氾濫には、もう一つの要因がありました。阿武隈川の流れが台風の進路と同じ方向に流れている事です。上流で雨がふり、阿武隈川の下流で増水したところに、台風の雨が到着してしまい、阿武隈川はさらに増水しました。
☆時間差氾濫
長野県の千曲川は、70mにわたって決壊しました。
しかし、千曲川の場合は、台風の雨が過ぎ去ったあとに、氾濫したのです。
千曲川決壊 住宅街に流れ込む濁流
— NHKニュース (@nhk_news) October 17, 2019
今月13日午前5時半ごろに長野市穂保で撮影された千曲川氾濫の様子です。https://t.co/nXPeVtIvIw#nhk_video pic.twitter.com/164jt1qU9V
上流に降った雨が長野市に到着するまで9時間かかります。
台風が過ぎ去り避難をやめて、自宅に帰ってから氾濫に巻き込まれる可能性があるという事が分かりました。
千曲川の下流の信濃川も時間差氾濫を起こしたのですが、長岡市は想定外の自体に、事前に避難勧告を出すことができませんでした。
長野県の千曲川が氾濫していますが、「何その川始めて聞いた」みたいな反応が多いので、ご存知とは思いますが
— ブラックTHUNDER (@bot52760190) October 12, 2019
千曲川というのは要は信濃川のことです。長野県では千曲川、新潟県内では信濃川と名前が変わるだけ。間接的に日本最長の河川が氾濫している#千曲川#千曲川氾濫
pic.twitter.com/os5DNVaxrg
☆バックウォーター現象が被害を拡大させた
台風19号の広範囲な大雨により、多くの河川でバックウォーター現象が起きたようです。バックウォーター現象により、上流の雨が、支流の支流まであふれさせた結果となりました。
※バックウォーター現象
本流の水位が高まり、支流が本流に入れず逆流する現象。結果、支流があふれる。
2.地球温暖化が招いた台風19号の巨大化
☆起きていた急速強化
台風19号では、地球温暖化により海水温の上昇している事が原因で、急速強化が起こっていた事が分かりました。24時間でヘクトパスカルが77も下がり、915ヘクトパスカルとなり、台風がモンスター化したのです。
通常、台風が途中で勢力を弱めるのですが、台風19号は、勢力を保ったまま巨大化しました。勢力のピークが3日間も続くのは専門家でも想定外だったようです。
急速強化のメカニズムの詳細は、こちらに書いています↓
☆温暖化が生んだ台風19号
急速強化の原因は海の中にあります。海水面の温かい水が浅い場合、冷たい水が吸い上げられ、かきまぜられ、海水面の温度は下がります。すると、台風の勢いは弱まります。
しかし、温暖化により、温かい水が海の深いところまであると、冷たい水がかきまぜられないため、海水は温かいままになり、台風は勢力を弱める事ができません。
さらに台風19号は海中温度高いところを通っていました。台風19号は、いろんな条件がそろって巨大化しました。
さらに専門家の話によると、台風19号の右下側には、水蒸気を吸い上げるポンプの役割をしている場所があったとのこと・・・
3.災害レベルは新たなフェーズへ
温暖化型台風19号は、広い範囲で降った雨が、ひとつに集まり、多くの川の堤防が決壊、氾濫させました。
地球温暖化の進行により、災害フェーズが変わり、想定を超える災害が起こる時代となり、もう過去の教訓すら通用しない、全く新しい避難対策を考えなければならない、市町村は、より技術的な対応が求められるとのことです。
また、宮城県丸森町役場では、災害対策の拠点である役場が水につかり、避難した人が孤立する事態になりました。以前から、役場を移転しないいけないことは分かっていましたが、財政の問題からしていなかったようです。
台風19号の影響で阿武隈川が氾濫し、宮城県丸森町の役場は水没。
— BuzzFeed Japan News (@BFJNews) October 13, 2019
町のあらゆる地域が冠水により孤立しており、「分断されている」とある男性はBuzzFeedの取材に答えました。
▶︎役場も水の下。宮城県丸森町は道路が冠水し、分断状態に https://t.co/d2LwYcB4EM
多摩川、荒川では43万人に避難勧告が出され、現場では想像を超える避難者が続出したとのことです。そもそも江戸川区では避難所不足でした。そのため、あらかじめ茨木や千葉に避難してもらう広域避難計画がありました。しかし、広域避難が呼びかけられることはありませんでした。
江戸川区では、荒川が氾濫予測の48時間前に判断を下すはずでしたが、判断を下す時、広域避難を呼びかけると車での移動で渋滞し、その状態で台風の上陸をむかえるという最悪のタイミングにあり、さらに危険になると判断したため、広域避難勧告を出さなかったとのことです。
4.巨大台風が常態化する
予測シュミレーションでは、台風が巨大化する頻度が上がることがわかりました。数百年に一度 直径650km 台風19号のようなものが常態化する時代となりました。災害対策は、台風19号以上のものが来ることを想定しないといけないという事です。
5.感想 思う事
今回は、あまりに広範囲で雨が降った事が、想定外だったようです。(毎年のように、想定外と言っている気がしますが)避難所が水没するなんて、避難が安全とも限らないのですね。今までの避難や災害対策は通用しないのなら、今後はどうするんでしょう?
こうゆう時に、命を守るために、被害に合わないために、いろいろな方法や対策を紹介する番組をするのは、全然良い事だと思うのですが、地球温暖化についても、もっと学べる番組をやって欲しい気がするんですよね。こうゆう時にしないとなかなか、皆、関心を持たないと思うのですが・・。
今回のNスペも、地球温暖化の問題解消のために、何をすべきかというコメントは一切なく、このまま災害が大きくなるから、どうしよう?みたいな話に終始していました。まあ、そうなるのも分かるんですけど(笑)
それにしても、毎年、災害による経済的損失が大きいですね。
日本は国家予算的にも経済的にも、地球温暖化の問題にもっと取り組まないといけないはずなんでしょうけどね。いろいろ大人の事情があるのでしょうか・・。セクシーに解決して欲しいものです!
災害対策も新しく、市町村が考えていくのでしょう。めっちゃ大変・・。
6.インフルエンザが流行する前に復興を!
それにしても、インフルエンザの季節までに復興して欲しい!
被災地で流行するとヤバい!