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薬膳と春夏秋冬


漢方と季節は、関係が深いのです。

薬膳と春夏秋冬

 

1. 五季


前回の記事で、五臓六腑や五味を説明しました。漢方では、いろんな事を5つに分けて考える事が多いのですね。では季節は、どのように考えるのでしょうか。季節は、春夏秋冬、4つですよね。


しかし、漢方では、これを5つに分けて考えます。春、夏、秋、冬、土用、の5つで、五季と言います。土用と言うのは、「季節の変わり目」の事です。「夏の土用に鰻を食べる」なんて言いますよね。その「夏の土用に鰻を食べる」は、「夏の季節の変わり目に鰻を食べる」という意味になります。(江戸時代に鰻屋が言い始めた事のようですけど・・)

 

鰻

鰻 写真AC

2.暦


この漢方における季節、五季(春、夏、秋、冬、土曜)は、暦上の季節です。

立春から春に入り、立夏の約18日前から立夏までが、春の土用。
立夏から夏に入り、立秋の約18日前から立秋までが、夏の土用。
立秋から秋に入り、立冬の約18日前から立冬までが、秋の土用。
立冬から冬に入り、立春の約18日前から立春までが、冬の土用。

という事になります。年によって日は、微妙に変わります。

 

3.五味と五季


では、前回の記事の五臓六腑と五味と合せると、

 

肝・心・脾 ・肺・腎
酸・苦・甘 ・辛・鹹
春・夏・土用・秋・冬

 

このように対応しており、漢方的には以下のような解釈になります。

 

春は肝が弱りやすいので、酸味をとると良い。
夏は心が弱りやすいので、苦味をとると良い。
秋は肺が弱りやすいので、辛味をとると良い。
冬は腎が弱りやすいので、鹹味をとると良い。
土用は脾が弱りやすいので、甘味をとると良い。

 

※鹹味=しょっぱい味

 

ここで、注意点があります。あくまで意識する程度の事であって、季節によって極端な食事をとるという意味ではないですね。また、ここで言う甘味とは、砂糖のような調味料的に強い甘味ではなく、もともと食材に含まれている甘味の事です。昔は、白い精製された砂糖はありませんでしたから。

 

4.食べ物の性質と薬膳

  

前回記事も合わせて読んでもらえれば分かりやすいと思いますが、例えば・・

 

ニンジン・・味は甘味・・特に体を温めたり冷ましたりしない(平)
ゴーヤ・・・味は苦味・・体を強く冷ます性質あり(寒)
ネギ・・・・味は辛味・・体を少し温める性質あり(温)
こんぶ・・・味は鹹味・・体を強く冷ます性質あり(寒)
ゆず・・・・味は酸味と甘味・・体を少し冷ます性質あり(涼)
       
このように普段食べている食べ物に、普通に漢方的な性質があるのです。
食材も生薬も元は同じ・・薬食同源なのです。

 

どのような季節にどんな味をとろうか?
冷えがあるので、温める食べ物をとろうか?
夏の土用に、旬の甘い桃を食べようか? 

桃

写真AC 桃

などなど、普段、普通に食べているものだけで、色々考えて、自分に合った食事をする事ができます。薬膳はそれで良いのです。普通の食材を使って、普段の食事で行えます。薬草を無理に料理に組み込むとか、しなくてもいいのですね。(もちろん、薬草の好きな人は組み込んで良いです)

 

食べ物の性質に関しては辞書的な書籍が販売されています。書籍によって書いてある事が微妙に違ったりするところもありますが。
「現代の食に生かす食物性味表」「東方栄養新書」など色々と売っていますので、参考にして普段の食事を楽しんでみてはどうでしょうか。